ゆるりとものづくり

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夢見るおっさんの工作記録

トランスレス電源

実験用電源の話は一旦おいといて(笑)、表題の「トランスレス電源」についてちょっと調べて実験してみたので、メモっておきます。

マイコン等を使ってなんらかの作品を作る場合、電源をどうするかは悩みどころかと思います。
屋内に据え置きにする場合、乾電池にするか、ACアダプターから電源をとるかというところでしょうか。

持ち運ぶならば、スマホ用のモバイルバッテリーからとるっていうのも、最近ならではの解法ですね。

今回は前者の据え置きの場合の話。
ACアダプターを電源として使えば、電池切れの心配もなくなって安心なのですが・・・
ちょっと、周りのコンセントを見てみると、見事にうっじゃ~と沢山のACアダプタがささっていませんか?
タコ足になっちゃうのはある程度しょうがないとは思うんですが、あまりにACアダプタが多すぎる・・・そこを何とかしたくてググってみたら見つかった回路です。
電子マスカットさんとか、始める電子回路さんとかで紹介されています。
ほかにも、PICを使った半田ごてタイマーの製作に使用している人もいます。


で、回路図はこれ




図の左側のAC1/AC2に、電源プラグをつけて家庭用コンセントにつなぐと、それなりの直流電源になります。

電圧は、ダイオードブリッジの後についているツェナーダイオードで決めます。
取れる電流は2-30mAってところ。(C101の容量による)

仕組みとしては、C101のコンデンサでACの電流を制限しつつブリッジダイオードで整流して、ツェナーダイオードで目的の電圧に制限して出力する感じです。その後ろのコンデンサで脈流を均して、直流度をあげています。
1Mと4.7Kの抵抗は、電源が切られた時(コンセントから抜いた時)に、それぞれ並列につながったコンデンサに溜まっている電気を放電させて、迅速に0Vに落とすためについています。

原理がわかったところで、ブレッドボード上で実験してみました。
注意:以下の記述・写真等では家庭用交流電源を直接回路につないでいます。当記事の記述を元に、同様の実験をする場合は感電事故等に十分にご注意ください。
お約束ですが、当記事の内容について、何らかのトラブルや損失・損害等につきましては一切責任を問わないものとします。

使う部品はこれだけ。全部、秋月電子さんで調達してきました。



電子マスカットさん等では、バラのダイオードでブリッジを組んでいましたが、以前買ったブリッジが耐圧も充分だったので利用しました。
(DF06という600V 1Aのものなのですが、最近は秋月さんにはないみたいですね・・・今売っているSDI2100は耐圧がちょっと足りないので、使えないと思うので注意してください)

コンセントから来ている電圧を計ってみたところ98V前後でした。



これをブリッジに通すと、電圧降下やらなんやらで88.9Vになりました。
波形をみるとプラス方向にだけ振幅している状態ですね。




ツェナーダイオード(今回は5.1Vのもの)挟むと、当然ながら電圧は5.1Vになります。
5.1V以上にはいかないにしても5.1V以下は0Vまで下がるので、コンデンサをつけて脈流にします。




電流計を直結すると26.6mAになりました。これが取れる最大電流ということになります。
おおよそ他の方の記事に書かれている情報通りの結果となりました。




ということで、マイコン1個+何か程度の回路であれば、充分使える性能がでているといえるでしょう。
電源の質(脈流をどれほど直流にできているか)については宿題にしたいと思いますが、おそらくオシロで波形を見ればグニャングニャンの脈流になっているはずです。
用途によっては後段にさらにレギュレータを挟むなどして安定化させる等が必要かもしれません。




最後に、上の写真が実験に使ったブレッドボードなのですが・・・
よく見ると一部が焦げています(汗)



テスターのプローブも、ちょっと溶けてます・・・(汗)

はい、ショートさせちゃいました(>_<)

パシュっといい音を出して、ショート部分の部品の足が溶けてくれて、一瞬だけのショートで済みましたが、プローブでショートせずに自分の手だったらと思うと冷や汗ものです。

最後に繰り返しますが、AC電源を扱う際には細心の注意を払って作業してください。

ふぅ・・