ゆるりとものづくり

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夢見るおっさんの工作記録

Windows 8.1で記憶域プールを使ってみた

普段作業に使っているWindows 8.1マシンのHDD容量が不足したので、HDDを追加してみました。

ただ普通に追加するだけじゃ面白くないので、Windows8に搭載されている「記憶域プール」を使ってみます。

記憶域プールは簡単に言うと「ハードディスクを束ねて一つにする」機能です。
これだけだと「なんだ、RAIDか」という感じですが、ちょっと進化してまして、束ねた容量から細かくディスクを切り出してマウント(DドライブとかEドライブとかにする)したり、容量が足りなくなったらHDDを追加することで増量したりできる、ちょっと素敵な機能です。

追加するのは自宅サーバに使っていた1TBのディスク2台です。





今回は、既存のデータ用ドライブ(Dドライブ)の増量を狙っていまして、このドライブからのデータ移動も必要でした。
ですので、ちょっとややこしいですが、余っていた500GBのディスクを組み合わせて

  1. 1TB + 1TB + 500GB(一時的に使用)でまずは記憶域プールを作る
  2. その記憶域プールからパリティ形式で2TB以上の記憶域を作りEドライブにする
  3. Dドライブ(単体の2TB)からEドライブにファイルをコピー
  4. コピーが終わったら500GBをソイヤっと外す
  5. 元Dドライブの2TBを記憶域プールに追加(ここで元Dドライブの中身は消える)
  6. 記憶域を復旧させて 1TB + 1TB + 2TB の構成にする

という手順を踏みます。はい、ややこしいですね(汗)

まぁ、とりあえずコントロールパネルから記憶域を作ります。
結構目立つところにありますw

こちらのHP等を参考にゴリゴリとディスクを作っちゃってください(丸投げ)

記憶域スペース | 薩摩藩中仙道蕨宿別邸
記憶域スペースについてすごく詳しく説明してくれています







Windows 8レボリューション:第14回 ディスクを仮想化する記憶域プール機能 (1/3) - @IT
ディスクを仮想化する記憶域プール






HDDを追加することで容量を増やせるようにするだけではなく、耐故障性もあげたかったので冗長化として「パリティ」を選択しました。
(3方向ミラーが性能的には有利なのですが、5台もHDD載せるのはちょっと・・・)




10数時間かけてコピーした後に、手順6まで進めました。
図は500GBを外して2TBに入れ替えて復旧させているところです。

程なくして無事に復旧が完了したので、記憶域のドライブレターをDに変更して終了としました。

手順が結構投げやり(汗)なので、詳しくは他のページ等を参照してもらいたいのですが、今回記憶域スペースについて考えたことやわかったことなどを。

記憶域スペースのメリット

その1)HDDを追加すると容量が増える。
空き容量がある「ドライブ」が増えるのではなくて、足りなくなった容量を「追加」できます。
今回は初めて記憶域スペースに移行したのでファイルコピーする手間がありましたが、今後は容量が足りなくなったらHDDを買い足すか、より大きなサイズのものに交換することで空き容量を増やす事が出来ます。

その2)冗長化できる。
簡単に言うと、保存されたデータが壊れなくなります。
例えば上のスクリーンショットではHDDが1台壊れた時と同じ状態になっています。
ですが、この壊れたHDDに保存されていたデータは他のHDD2台から計算して「復元」してくれます。
ある日突然HDDが物理的に壊れたとしても、復活させられる猶予があるということですね。

その3)読み込みが速くなる
同じデータを複数のHDDから読み込むために、若干読み込み速度が速くなります。


記憶域スペースのデメリット

その1)冗長化として「パリティ」を選択すると書き込みが遅くなる
百聞は一見に如かずですので、下のベンチマーク結果をご覧ください。
冗長化することで、複数のHDDへの書き込みと計算処理が入るため、書き込み速度がおよそ1/3程度まで低下します。



パリティで作った記憶域


単体のHDD



その2)バックアップが取れない
理論的に取れないということではなくて、超大容量化しやすいので、物理的にバックアップを保存する容量を確保できなくなります。
100TBとかの極端な例を挙げるまでもなく、10TBをバックアップとか、気が遠くなります(笑)

その3)下位バージョンや他のOSからアクセスできないディスクになる
3台のHDDでつくった記憶域スペースを、例えばWindows7マシンに3個ともつないだとしても、記憶域としては認識されません。
もちろん、LinuxMac OSからも読み出せません。
さらに言えば、Windows 8.1で作った記憶域スペースはWindows 8.0 でも認識しませんでした。



ただ、これらのデメリットは、運用でカバーできます。

書き込みが遅い -> 書き込み速度が必要な場合は、作業用のHDD等を別に用意する(作業が終わったら削除するか記憶域に移動する)

バックアップ -> 壊れないはず、と固く信じる(笑)バックアップすべきデータとそれ以外をうまく分けて、USB外付けディスク等やクラウドディスク等をうまく活用する。

OS問題 -> Windows専用のディスクにしちゃいましょう。他のOSには共有機能を使って提供します。

まぁ、こんな感じに運用すれば、それほど困ることはないと思います。
それよりも、今後HDDの容量不足に悩まされたり、不慮の故障による被害がなくなると考えれば、ずいぶんと気が楽になるので、そのストレスから解放されたというのが一番大きな収穫です。